TOYO SCAPE | 04.熊本駅周辺

半屋外の公園をイメージさせる熊本駅前空間。舗装計画は東洋が製品納入から工事まで実施。

熊本駅前西口広場は、「くまもとアートポリス」の一つとして、設計の公開コンペが行われて話題となりました。2013年の完成はその作品が採用され、具現化されたものです。半屋外の公園をイメージさせる空間が特徴で、駅舎から屋外に向かって伸びるルーフや、広場をぐるりと囲むような鉄骨造りのスクリーンが目をひきます。駅の出入口付近には、阿蘇の溶岩を使った親水施設(噴水)もあり心を和ませます。
当社は、この広場の舗装計画において、ロータリーを除くすべての駅前エリアを、製品の納入と工事までを担当させていただきました。舗装材の色彩が、周辺の緑の環境ともマッチし、快適な空間を演出しています。

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建築デザインを活かし、足下にも主張を生む。駅前の憩いと楽しさが伝わってくる。

建物のデザインを優先する熊本駅西口広場では、その個性を活かすために、舗装デザインはシンプルなもの。方眼のような整然としたレイアウトが要望されました。けれども舗装材については、熊本らしい郷土色がほしいとのニーズから、当社オリジナルのスーパーテラNR-3を研磨した特注品を提案。これが見事に採用され、広場一帯に敷設されました。時間経過しても色落ちせず、溶岩粒の微妙な表情が足元を優雅に彩り、人々の駅前回遊や滞留に心地良さをもたらしています。
当社は、この駅前広場だけでなく、駅周辺地域整備事業の一環である合同庁舎敷地や付近の歩道、駅東口から白川へ続く舗道部など、2011年の新幹線熊本駅開業に合わせて完成とするいくつものプロジェクトに参加。信頼の製品と工事が関係各位から支持を得ました。

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駅周辺の多様なエリアで取り組んだ整備事業。施主のニーズに、アイデアと工夫、粘りを発揮。

従来は熊本城内にあった合同庁舎が、熊本駅周辺地域整備事業の一環として、二本木地区に新たに建設。当社は、この建物の東側敷地にある広場スペースの舗装を担当させていただきました。当初はレンガ敷きという計画もありましたが、高齢者や子供たちも来庁することから、その安全性、快適性を考慮して当社のユニバーサルペイブが採用されました。
また、庁舎の玄関前歩道、二本木電停付近の舗道についても熊本県と熊本市から仕事を受注。この計画では、周辺建物や道路と調和する溶岩色がほしいとの要望があり、そこで当社が開発したのが、阿蘇の溶岩を使用したスーパーテラの特注品です。2種類の淡いパープルの色を均一化して生産するのは難しいものでしたが、実際に施工すると、周辺の植栽計画との調和、街の空間に優しさをもたらすことができました。

TOYO ユニバーサルペイブ
目地幅を小さく、ノンスリップラインですべりにくいユニバーサルデザインの舗装材。
スーパーテラ (特注色)
阿蘇の溶岩を混ぜた 透水性舗装材。

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営業担当者の話

熊本の皆さんの協力と支えがあって、受注した整備事業の仕事を完成。人と人との出会い、ネットワークの大切さを改めて感じました。

九州新幹線全通に合わせた熊本駅及び周辺地域整備事業に対して、県や市、建築会社、設計事務所など、毎日の日課として営業訪問を繰り返しました。
そうした努力や地元の紹介が実り、2010年3~6月頃には整備事業のいくつかを受注することができました。この時期、当社への関心が集まったのは、合同庁舎前の舗道整備事業の受注を機会に、阿蘇の溶岩材を使ったスーパーテラの開発が上手くいったことによるものです。当社のまったくオリジナル製品で、素材の郷土色を訴求することができ、各施主の窓口に好評でした。熊本駅西口広場や博多駅前広場にも採用され、製品ニーズが次々と広がりました。工場としては、阿蘇溶岩の色をムラが生じないように生産するのに苦労しましたが、数十のサンプル製作の努力を重ね、安心して使用できる生産体制が整いました。

当社が受注した仕事は、製品の納入だけでなく、敷設工事まで含めたもので、駅周辺7カ所ほどの現場を同時に抱えるようになりました。この工事で課題であったのが、工期の短さと職人さんが不足していたこと。2011年3月までの工事完了を目指して、いくつもの工事が同時進行し職人探しは深刻でした。これに対して、熊本の業者、多くの職人さんが当社を後押ししていただき、本当に有り難いことでした。なかでも熊本駅西口広場の工期約3カ月というタイトな仕事の完成は、そうした皆さんのおかげです。

また、工事に際して施主から度重なる設計変更もありましたが、企画デザイン室により、その要望に対応することができました。
そして、工事が次々と完成。納期厳守の約束を守り、施主の皆さんの期待に応えることができました。様々な人との出会いがこの大きな仕事の成功の源であったと感じています。

熊本駅周辺

熊本駅周辺整備

事業主: 国土交通省 九州地方整備局、熊本県、熊本市
所在地: 熊本県西区春日2丁目~3丁目

広域交通の結節性、生活利便性の向上、そして豊かな自然環境を活かした魅力的で賑わいのある駅周辺地域を。現在、熊本駅及び駅周辺地域都市空間の整備が進行中である。熊本では100年に一度のビッグプロジェクトといわれ、その対象エリアは春日地区を中心に約63.2haにも及ぶ。そのプロジェクトのなかで、2011年3月、九州新幹線全線開業に合わせ、新幹線駅舎や西口駅前広場が完成した。最終的には、2018年の在来線高架に伴う新在来線駅舎と、東口駅前広場の完成をもってプロジェクトは終了となる。水と緑に恵まれた県都熊本の玄関にふさわしい環境が整うのは間近である。

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